バーゼルの思い出(KAKO)

「惠藤さんおめでとう と バーゼルの思い出」

“惠藤さんがBasel でT.Temerson とDuo 共演” のビッグニュース、お知らせ頂いた時に、ご本人にはお祝いを申し上げましたが、まだ足りない思いがして、、、、。

T.Temerson を指揮者(指導者)・ソリストに迎えるツィターグループは、フランクフルト・バーゼル・チューリッヒ・シカゴ、そして我がANZ
この様に世界中から引く手あまたの“T.Temerson とBarsel で日本人が共演”これがどれ程素晴らしい事か、どんなに精進したら  Duo を申し込んで貰えるまでになれるのか、E.Etoh がどれ程真摯に Zither と向き合ってきたのか曲を演奏する上での技術・表現力・まとめ方・音楽性そして協調性など、ピアノの上で培われたものと、Zither でさらに成長したと思われるもの、その道のりを約20年に亘り、友として見て来た私には、祝福の思いが溢れ出るのです

惠藤さん、持ち前の“華”を Basel で見事に咲かせ、そしてまた一回り大きな蕾を持ち帰りなさることを期待しています。

日本の曲に関心を持っている人として、Helga Heinkel (1947-2011) と知り合うきっかけを作って下さったのも、惠藤さんでしたね。H.Heinkel はドイツの Loerrach に住み、ツィターグループ Wiesentaeler Saitenspiel の一員として演奏活動のかたわらスイスの Walzenhausen-Zitherseminar で毎年4月に講師として活躍していました。

何曲か私の編曲作品を送ったところ、その中から気に入ったものをテキストに使うなど 幅広い理解力を持った人で、来日したのは桜の頃でした。伊東にも数日滞在し、Kako Ishihara の音作りの土壌となっている環境を身体で感じ取って、理解してくれた人でしたが、残念な事に昨年秋に天国へ召されてしまいました

2007年にHelga に招かれ、Basel 経由で彼女を訪ねる事になりました。Zeillern-Seminar 終了後、ミュンヘン。
空港からイタリアの Air Dolomiti に乗り込む時、前のビジネスマンらしき人が『これ、よく事故を起こすんだよネ』と。そんな事気にしない、気にしない。

Basel の空港には、出口がスイス側とフランス側の二箇所あるからくれぐれも間違えないで、スイス側に降りる様に、と出発前に Helga から注意を。無事に降り立ち、Helganに迎えられて、その日は Barsel 見物。川幅広く,とうとうと流れるライン川を挟んで旧市街と新市街に分かれている。


旧市街には1406年に創立された大学や市庁舎・教会など、歴史の重み、そして風格のある建物で埋め尽くされ、社会的地位を得た人々もこちら側に居を構えたがるそうな。
散歩のついでにバーゼル音楽院の中にも入って、ああ、50歳も若かったらなあ!とため息ついたり。
新市街側に下りて、高級デリカテッセンで試したオリーヴオイルの深い味わいも忘れ難いもの。ライン川べりのレストランは魚料理が有名で、ケースの魚を選んで調理して貰うという悠長な時間を。待つ間のビールの美味しさもさることながら、いざ料理が整ってからの白ワインの香り・味わいはBersel の 思い出をさらに芳しいものとしたのでした。

ここ Barsel は フランスとも隣接し、人々の味への感覚も鋭く、確かな舌を持っている所為か特に美味しい物がふんだんに入って来るのだそうです


翌日は Loerrach の、向こうの山腹に古城が見える Helga  のステキな住まいに。この古城まで散歩がてら30分ほどで行くことができますの。また、この旅行で記念に私が作った曲に「”Wiesentaler Grocken”  ヴィーゼンタールの鐘」があります。彼女は一人暮らしなのに、トイレも洗面も二つづつある、私の生活からは懸け離れた暮らしぶり。季節のホワイトアスパラガスをスーパーストアで買うと、そこには皮を剥く機械があり、つい立ち止まって眺めてしまう。皮むきは、結構面倒なそうで、、、。そうでしょう、10本や15本ではなく、キロ単位で買うのですもの。

 

 

 

Helga と共に Barsel の思い出も尽きない程ですが、この位に致しましょう。


Helga も Temerson を心から敬愛し、褒めていました
もし 彼女が健在なら、M.Etoh とは暫くぶりでの再会ですから、
Baesel でのコンサートを今頃心待ちにしているところでしょうのに、、、と、とても残念に思いますが9月9日の二人の演奏を、天国から聴き見守ってくれるに違いありません。

H.Heinkel とBarsel の思い出と共に 惠藤さんにエールを送ります

 

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