絃の張替え(春巴)

しばらく、絃を張替えていなかったので、今日は大掃除を兼ねて絃の張替えです。

普段は、切れたり、悪くなった絃のみを張替えていましたが、今回はそうでないのも総入れ替え!グリッフザイテン(メロディー絃)が5本とフライザイテン(伴奏絃)が37本の合計42本の張替えです。

まずは、フライザイテンを数本づつゆっくりと外しては、弦楽器用ポリッシュで日頃ふいても取れなかった汚れを拭き取り、艶だし・・・。そしてそれぞれの絃を調律。30本くらい張替えたところで、放心状態!私は目が悪いので、絃を穴に通すのにもルーペを使ったりと一苦労・・・。やっとの思いで37本のフライザイテンを張り終えたと思ったら、もう初めに張った絃が緩んで変な音・・・。それを直すとまた次の絃、次の絃と・・・絃も心も緩みっぱなしです。

気を取り直して、今度はグリッフザイテンにとりかかります。5本のみなのですが、これがまた難問!私は、どうもA線とD線の張り方が下手でなかなかいい音に張替えができません。何度か納得のいくまで緩めたり絞めたりしていると、D線がバチーーン!と切れるありさま。「はぁ〜〜っ。。。」大きなため息が出てしまいます。窓を開けて、愛犬桃太郎と伽耶を部屋に入れて、しばし休憩・・・。二人と遊びながら口の周りをなでていると、ふと、桃太郎の立派な髭がチターの緩んだ絃に見えてきて、つい引っ張ってしましました。「ブーッっ!」桃太郎にひどく叱られました。ゴメンナサイ。

全てをなんとか張替えると、チターは美しくよみがえりました。

美しい艶。新しい絃の憂いのある音・・・。こなれた絃の音も好きですが、真新しい絃の音もまた格別です。皆さんはどちらの音がお好きですか。

しばらく、奏でていると、肩と背中に痛みが・・・。パンパンに肩がこってしまいました。これから、マッサージへ!

「風が吹けば、桶屋が儲かる。」

「絃を張れば、マッサージ屋が儲かる。」

世の中上手くできているような気がします。

 

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