美しいチターの音(春巴)

秋も深まって参りましたが、皆さん恙無くおすごしでしょうか。秋の夜長と言えば、私は読書とチターの練習をしています。夜、澄んだ空気の中、練習をしているとふと春のトミーテマーソンさんのセミナーを思い出します。コンサートの疲れもあるのに、トミーさんはとても熱心で誠実なセミナーを行って下さいました。

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「まず、皆さんにお尋ねします。チターの美しい音を出すために一番大切なものはなんでしょうか?。」

皆さん,あれこれと思いつく事を答えます。

「リングの弦への正しい当て方や指の角度でしょうか。」

「それも大切ですが、違います。」

「正確に調律することでしょうか?」

「それも大切ですが、違います。」

「曲想をよく研究し、理解することでしょうか。」

「それも大切ですが違います。」

「ビブラートを美しく響かせることでしょうか。」

「それも大切ですが、違います。」

次第に、禅問答のようになってきましたが、トミーさんは首を縦に振りません。

「美しい音を出すために一番大切な事は・・・・・・・です。」

「おおおおおおっ。あああああああっ。」

人間あまりにも本質的で心に響く説明をされるとこういう感嘆の言葉が出るようです。

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一番大切な事を聞いた私たちは、その後の弦の話しや、リングの角度、指使い,指の角度等、トミーさんに教えて頂く間にみるみる音が美しくなって、夢を見ているようでした。

物事の本質を分かっている方は、やはり違うなとつくづく思いました。

トミーテマーソンさん。本当にありがとうございました。

 

 

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