何でもこなすのが 女性(Kako)

„Selbst ist die Frau“

伊東、松川沿いの遊歩道では、夜桜を楽しむ人々がそぞろ歩く心地良い季節となりました。

染井吉野が咲き終わると間もなく我が庭の八重桜が咲き始めます。恒例となっている“お花見の集い”を控え、デッキのテーブルと椅子をネットで購入する事にしました。

朽ちかけて、既に座るにも危ない程でしたので。

IMG_1153

お花見の集い、昨年は‟女の子”がリボンパーティーをしましたので、今年は“男の子”の組み立て作業にちょうど良い材料にもなると思ったのですが、いざ荷が届いてみると置く場所に窮する程の大きさです。径138cmの六角形テーブルと二人掛けのベンチが三個、取り敢えずベンチを一つ組み立ててみました。一時間余り費してどうやら完成。この組み立て作業はベンチ一つでも達成感が得られ、なかなか面白いのです。お花見の日まで二週間余り、荷のままピアノの部屋を占領させておく訳にも行かず、増してやこの面白さを他人に委ねるのも惜しくなり、全部自分で組み立てる事にしたのでした。

ドイツ語の諺に“Selbst ist der Mann“ というのがあります。自分でするのが男というものだ。

他人に依存するのではなく自分でするのが確実だ、といった意味でしょう。

事実、ドイツ語圏の男性はなんでも良くこなしますからこんな諺が生きていると思われます。

これを思い出してしまったからにはなおの事、全て自分で!

実際に使う場所で組み立てるのが好都合、今までのテーブルを退けて場所を作らなくてはなりません。朽ちたとは言え重いテーブルを引き摺ってでも燃し場まで移動させなくては。テーブル面を回転させ漸くの思いで庭のへりまで運びましたが、大きいままでは燃せません、解体しなくては。石畳みの小道を作った時に使った大きな重い金槌でドンドン叩いてもなかなか壊れるものでなく、庭のへりから下の燃し場への段差を利用して思いっきり荒っぽく落とし、痛めつけ、壊し易くしてから、また金槌で叩いて分解したのでした。

使用に耐えられなくなったテーブルと椅子とは言え、それまで重宝させてもらった感謝はどこへやら、まるで敵をぶちのめすかの様に転がしてぶっ叩く、裏庭には、もう一組のガーデンテーブルとベンチも放かしてあり、それもこの際思い切って処分、二組のガーデンセットですから、それはそれは大変な作業でした。

ベンチ一つだけ組み立てた後、テーブル部分の梱包を解き、出して見ると琵琶色の塗装が何とも頼りなく、一雨あれば材にひびでも入りそうに思えます。もう一度自分で塗ろう、組み立てる前に塗装をし終えておく方が仕上がりが綺麗だからと、適当な塗料と刷毛を買いにホームセンターに走ったのでした。

組み立てには+ドライバー・モンキーレンチ・スパナが必要です。電動工具があればネジ一本埋め込むのにビューンと1~2秒で済んでしまいますが、私には手動のドライバーしかありません。全部組み立てるのに一体何本のネジを回し入れたでしょう、時間と力を何増倍も要しました。

説明書には組み立てに要する時間は約一時間半、とありましたが、とてもとても、、、!

電動工具あって始めて可能と思われます。毎日夕方二時間程度の作業で約一週間、お天気が続く間に移動・解体・塗装・組み立て・灰の処理までを他人の助けを一切借りず、怪我もせずにやり遂げたのでした。 „Selbst ist der Mann“ のder Mann をdie Frau(女性)と言い換えなくては!

今時のこういった物は全て金具とねじ釘で止めてあるため、燃やした後、灰を篩に掛けると沢山の金具類やねじ釘が残ります。篩った後とれた40リットルもの灰は、土・畑に返せますので少々気が咎めた手荒い解体作業も許され、テーブルと椅子の一生を見届けた気にもなれたのでした。

昔はガーデンセットでもチーク材等を使い、やたらに釘で打ち付ける事はせず、丁寧な組み物細工が多かったのに、と懐かしく思いました。尤もそれなりの値もしたのでしょうけど。

カテゴリー: 新着情報   パーマリンク