打越さんへのお礼状

打越様がチターを演奏されていると知らされて以来、私には、ずっとずっとひそやかな期待がございました。と申しますのは、チターといえば、オーソン・ウェルズ主演の世界的シネマ『第三の男』というイメージが必然的に湧いて来る私です。ぜひぜひ、その世界的な名曲を、打越様の演奏で聴かせて頂きたいという願いがありました。 これまでも、エーデルワイスをはじめ、多くのアルプス地方の民謡やスイス、ドイツ、オーストリアの素敵な民謡などを独特の音質に込めて愛いっぱいの心をしっとりと紡いで下さるようなチターの演奏に、いつもいつも魅了されて参りました。打越様ならではのていねいな演奏技術が、それぞれの美しいメロディーを、聴く者の心の奥深くまで優しく、そしてゆったりと、しみわたらせて頂けるのですよね。目を閉じると、澄んだアルプスの山々や牧場の風景が浮かんで来ます。それだけに、『第三の男』を演奏して頂ける機会を渇望しておりました。それが今回のフェスタで、実現したのです。あの憂いを含んだもの悲しい旋律を、見事に奏でて頂けました事に、大変、感激致しました。打越様という、人生の機微に通じた熟年の方であるからこそ表現可能な演奏力の懐深さに、改めて、感服いたしました。もう一度、あの名画『第三の男』の、(あの名曲の流れる)最後のシーンを見てみたいと思っております。年齢を重ねられるにつれて、演奏に磨きのかかる力量には、脱帽せざるを得ません。

今後の益々のご活躍に、心から期待するものでございます。感謝を込めて!

House Studio泰山木

稲葉

 

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