セミナー報告 (2) おまけ ウィーンの夜

IMG_3186.JPG-1今夜は国立オペラ座でバレー公演を楽しむ予定です。季節は初夏、マルクトではホワイトアスパラガスが屋台に山積みになって売られる時季、折角ですから早めの夕食に近くのレストランでアスパラを味わってから出掛けると致しましょう。

このホワイトアスパラには鮮やかに思い出せるシーンがあります。今から20年も前、惠藤美津子さんとミュンヘンのシュラーさんのマンション(自宅とは別に所有)を短期間提供して頂いて滞在していた時、奥様のアニーさんが茹でて供して下さったことです。茹でるお鍋はアスパラ用で細長い楕円形、まずお湯を沸かしている間にアスパラの穂の下の方の皮をピーラーで剥きます。その内にお鍋のお湯が沸騰しますので、その中に砂糖と塩を少し、そしてバターを25g位入れて茹でるのです。味については特別な感想も思い出せませんけれど、惠藤さんと私は大感激し、シュラーご夫妻と共に美味しく頂いたには違いないでしょう。

さらに強い印象で残っているのが、ある日のシュラー氏によるキッチン・シンクの後始末。食器を洗い、拭き、所定の位置にきちんと収めた後、シンクを隅々まで布巾で拭き取り、ピカピカにします。何しろシュラー氏は鉛筆を長さの順に立てて並べる人ですから。使った布巾は洗濯機に。ドイツの洗濯機は高温のお湯で洗えるのですよ。

もう一つ、丁度10年前になります。バーゼル近郊のレラッハ(昨、2016年にANZ の皆さんとバーゼルでのコンサートに参加した時、宿泊したドイツ側の街)に住んでいたヘルガ・ハインケルさんを訪ねた時、(彼女もバーゼルのツィターメンバーでしたが、3年前に急逝なさった事を、ドイツのツィター機関誌ザイテンシュピールのお悔み記事で知りました。)街のスーパーストアで彼女がアスパラを買いました。それが5本や10本ではないの、キロ単位で。そのお店にはアスパラの皮むき専用の機械があって、店員が一人それだけに専業しているのにも驚きました。機械の手前に腰掛けた人がアスパラを平らにして10本位入れます。すると向こうから皮の剥き終わったアスパラがスウッツと出て来るので、しばし見とれてしまいました。その夜は、豚フィレのパイ包み焼きと、盛り沢山のアスパラにオランデーズソースを掛けて、赤パプリカの焼いて甘酢漬けにしたものなど、料理上手な彼女の手料理を白ワインと共に頂き、食後は彼女の上手なツィターに、私のグリッフだけの拙い演奏で、深夜まで”Musizieren” 。  そうそう、彼女はTomy Temerson の熱烈な支持者でしたよ。

なかなか “ウィーンの夜” になりませんね。       6月26日 KAKO

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