短歌の学校一年生 (7)

 

短歌は、その作者の一部ではあるけれど全てではない、という文章に触れなるほど、と思うと同時にちょっと救われる思いもするのです

 

           突然の友の悲しみ思ふ時 分かち合う術持たぬ身を詫ぶ

 

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 どの “あを” を用ふるべきか沖縄の コロナの穢れ知らぬこの海

 

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 木蓮はコートをパラパラ脱ぎ払い 青空に舞うスワンレイクを

 

 

 

放棄され栴檀草の棘の原 囮は土筆我捕虜となる

 

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 野に出でてすみれの花束作る時 リンゴの頬っぺは昔も今も

 

 

 

 巣ごもりに取り寄せ読める現代短歌 五コマ漫画を楽しむように

 

 

 

 掌(てのひら)に君の指先フと触れる ただそれだけで蜜の蝋燭

 

 

 

 庭出にで素手で抜きたるはこべ草 地の温もりに母蘇り

 

 

 

 囀りを “それでいいよ” と聞き做すも 自責の念に駆らるる朝(あした)

 

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 今年はと秘かに猪(ノブタ)も期待せり 三畝植えたるインカの瞳

 

 

 

       令和三年弥生 歌人(うたびと)野の花(ののか)

 

 

 

 

 

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