志賀高原 大沼池 写真 東窓
息をのむ錦秋の景添付され 炬燵設え飽かずに眺む
今の歌覚へられない歌へない ボカロPとや機械が作る
写真 石田 述子
さながらにモンドリアンの絵画かな 都会の友のベランダの空
五年ごとのショパンコンクール日本から 二人も入賞秋貴(たか)し
苛立ちを如何に鎮めむ待ちぼうけ 花影に蝶翅休めたり
掌にむかご集めてうきうきと 車預けて帰る坂道
含羞草(おじぎそう)朝の挨拶ちょんちょんと触れれば
はにかみ微笑み返す
発信人友から子へと変わりゆき 年賀欠礼霜月寂し
写真 大辻 一徳
真っすぐに見つめられては恥ずかしや 黄色の薔薇は撮り手の化身か
殿方の羽織りの裏は江戸の粋 裏銀シジミのキラリ舞ひ飛ぶ
霜月は春の花への端境期 白き小菊が健気につなぐ
ひと月で月は地球をひと巡り 部分月蝕ひと夜で演ず
ライダーの集いし富士ビューポイントに 吾には眩し五個のヘルメット
ニューヨーク ジャズの聖地はヴァンガード
“この素晴らしき世界” 響く再び
素晴らしい写真を提供して下さいました方々、お読み下さいました皆様に心からお礼を申し上げます。
令和3年霜月25日 歌人 野の花