短歌の学校一年生(22)

吾と共に時を刻みし白木蓮大樹となりて木霊棲むがに

木蓮は平和の白鳩咲かせたり争いの国へ飛び立てよいざ

春寒し世界の平和望めども吾に出来る事うた詠むのみか

切々と故国の平和訴ふる美女バンドゥーラかき鳴らしつつ

 

平和をば踏みにじられしウクライナ歓喜の合唱いつの日響く

マニキュアで染め尖らせて手入れさる乙女の爪に動物を見る

ノラなれど猫の作法は守りたり食べたいけれど残す三粒

(ノラのトラ吉)

雨上がり鍬振るごとに匂ひ立つ土に秘めらる芽だしの力

画集観て後に畝ひしジャガ畑モンドリアンの絵画にも似て

踏まれても健気に咲くる胡瓜草花との会話はピンチアウトで

(写真 大辻一徳)

スマフォしか触ったことの無き様な手から教わるシミだらけの手

居士大姉スマフォアドより戒名の有難味あり回忌の供養

ひらひらり花びら一ひら舞ひ込みて緋の毛氈にすまし顔

(写真 大辻一徳)

おいしいよ美味しく食べてと口揃え友から届きしいかなごくぎ煮

栴檀草土筆ん坊を守り居り摘むは許さじと言はむばかりに

セントウ草小さき虫のカフェテラス自然世界は分を弁え

なかなかに秀歌などは詠めねども考え迷う刻の安けし

ホーほけヶ撫でてやりたしその頭幼き吾子の初めての歌

“菫”とふ名に憧れし乙女の日心は今もすみれ色らし

令和 4年彌生25日 うた人野の花

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