短歌の學校一年生(24)

キジトラはまだ触らせぬノラなれど目閉じて聴き居りわがツィター

トラ吉はツィターのライヴ好み居りカリカリの後しばし動かず

日々介護兄を労い友集う神田の蕎麦屋盛り上がりけり

友寄りて兄を慰労す神田の蕎麦屋介護の日々もまた新た

ツィター弾く指にくっきり絃の跡生あるうちは日々怠らず

初物の豌豆届き豆ごはん御馳走さまと豆の数ほど

沖縄の本土復帰後五十年島蕎麦食(は)みつ想いは遥か

沖縄を平和の島への願い籠め五十数へつ姫小判摘む

歳の数かぞえつつ摘む姫小判ブーケさやさやシャンパンの泡

姫小判束ねて干して夏は来ぬ島蕎麦食みつ想ふ沖縄

復帰っ子活躍眩し五十歳「風のマジム」に「ガレッジセール」

エゴの木の真白き花の今盛り秋に実繋ぎ数珠とせし妣(はは)

赤花とブルーサルビア物語写真は語る撮り手の想ひ

(写真 大辻一徳)

赤花は夕べに化粧するといふ立ちて待ち居るブルーサルビア

(写真 大辻 一徳)

薔薇アーチ潜ればあやめ芍薬の居場所広々オハイオの庭

オハイオの森の緑に囲まれて芝生の中のあやめ芍薬

わが庭は猫の額と嘆くより俳句・短歌のように愛しめ

美の定義変わりつつある世にあらば吾取り残さるるボテロ展

美の尺度時代と共に変わりゆきわが物差しは朧な月夜

友の句の新聞掲載知る朝に共に喜ぶ初ホトトギス

令和4年皐月25日 うた人野の花

カテゴリー: 新着情報   パーマリンク