いよいよバレー鑑賞

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バレーを観ている最中に心地よくて眠くなっては困ります。早めの夕食に

ビールやワインは我慢がまん!中世の面影を残す美しいクレント小路に入ると間もなくオーフェンロッホという、伝統的ウィーン料理を供するレストランがあります。そこで念願のホワイトアスパラガスを。バターソースが添えられた6本もの太くて白いアスパラガス、ジャガイモの丸焼きの上にはとろけたチーズ、沢山の炒め玉ねぎが載っているお皿を前にして、折角の夕食ならバレーの舞台がハネてから誰かと一緒にビールでもワインでもグイグイやりながら、舞台の余韻に浸りたい、という思いもよぎりますが、異国で一人ぽつねんと、ワイングラスも無いテーブルで、話し相手は忙しく立ち働くオーパーのみ、それでも“美味しかった”!!

 

さて、漸く国立歌劇場、開場の時刻となりました。

ケルントナー通りをシュテファン寺院の方から歩いて行くと、劇場横手の回廊では当日の出し物がスクリーンに次々と映し出されます。劇場内では撮影禁止ですが、これならば、とガラス越しの映像をパチリ。

今月の演目はSchwannensee 白鳥の湖です。

テレビやDVDではなく劇場でバレーを見るのは初めての事ですので、奮発してロイヤルボックスに当る三階の中央席を予約しておいたのでした。

オーケストラの弦は艶やかな音色で、木管は落ち着いた温かな響き、金管はあくまで晴やかに歌い上げます。やがてエシナ・シショフのオデットが優雅に踊り始めます。オーケストラの奏でる音と、舞台の白鳥達のトウシューズのカタカタ鳴る音がない交ぜとなり、TV.やDVDでは味わえない臨場感、これは予想もしなかった事でした。

白鳥のオデットと黒鳥のオディール、両極端の性格なのに、一人の踊り手が演じ分けている事にも感心してしまいました。DVDで観て知っているロシアのキーロフ・バレーでは、王子がついに悪魔を倒し、ハッピーエンドに終わるのですが、今回のウィーン国立バレーのヌレエフの振り付けに拠る公演は、ジークフリート王子とオデット姫が湖に身を投げて、来世でこそ結ばれ幸せになる、という筋立てです。

これが原典にも忠実なのだそうですが、この様に正反対な結末もある事にびっくりしました。ハッピーエンド方が私好みではあります。

劇場を出て家路に、あるいはホテルまでの道のりの気分が違うのではないかと思うからです。とは言えウィーン国立歌劇場バレー団という世界屈指のバレーを生で観る事が出来たのは、私に取って大きな喜びでした。

早朝のバラ園散歩から始まり、Loiblさんをお訪ねし、ホワイトアスパラガスを堪能、そして夕べのバレー鑑賞、今日一日の目標を達成出来た満足感と相まって、これからもこの思い出は私を幸せな気分に包んでくれる事でしょう。

夜のシュテファン寺院を右手に見て左に曲がり、ホテルまで“来世の幸せ”という余韻に浸りながらの帰路でした。               6月27日  KAKO

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