音楽博物館チターコンサート1(2/16)(春巴)

今日は、惠藤先生の大阪音楽大学音楽博物館のチターコンサートです。ソプラノ歌手の南美里さんも出演なさいます。

朝、会場のある大阪音楽大学の1階にあるカフェテリアで惠藤先生を待ったいたら、食堂のおばさんから「まぁ、朝早いのね。。。何科の学生さん?」と不思議そうな顔をしてのご質問。「いえ、今日の博物館のコンサートの関係者なんです。」と答えると「まぁ、そうなの。」と納得のご様子。きっと心の中で「ずいぶんと老けた学生ね。。いったい何浪したのかしら・・・・」と思ったのでしょう。まだ、学生(老けた)と思われ、うれしいやら悲しいやらで固まっていると、「寒いでしょうから、暖房を入れてあげるわね!」とオジサンにもやさしい心遣い・・・。なんとも、不思議なスタートでした。しばらくすると、惠藤先生が荷物で車を満載にしてご到着。全て荷物を降ろすと、一山ありました。クゥイント、ディスカント、アルト、バスの4種類のチターにプサルター型チター、子供用のチターまで楽器だけで6台。その他、プロジェクターやチターテーブルなど諸々の荷物を合わせると大変な量になりました。「まるで、チター一座の引っ越しね。。。」惠藤先生と笑いながら、会場の方にも手伝って頂いて音楽博物館のミュージアムコンサート会場まで運び込みました。

会場には、音楽博物館の音響担当の方が待っていらっしゃってテキパキと準備をして下さいました。惠藤先生がリハーサルをしていると、見たことないようなマイクが登場してきました。そして、チターのあちらこちらにそのマイクを置いては、音の質を調べているようでした。しばらくして、「この位置が一番チターの音がいいようです。」と言われたマイクの場所はいつもとは全く違った場所でした。確かに、マイクを通して聴いてみると、いつもの音より美しい音がします。高音も低音もきれいに聴こえます。

 

「なぜ、こんなに美しい音になるんですか?スピーカーがいいのですか?」と物知らずな私の質問に対し「このマイクとマイクの位置によるものなんですよ。このマイクはすごく高性能のマイクなんですよ。」と丁寧に解説して下さいました。「コンサートが終わったら、どさくさで、持って帰っていいですか。」と言うと「やめてください。これ30万円以上するんです!」・・・高価なマイクなんですね。。。マイクと位置でここまで音が変わるとは・・・とても勉強になりました。コンサートが終わると、音響の方が一番にこのマイクを立派な箱にいれながら、「持って帰らないでくださいよ。」と笑っておられました。

コンサートの準備やソプラノ歌手の南美里さんとのリハーサルも無事終わり、1時間くらい余裕ができたので音楽博物館をうろうろしながら鍵盤楽器のコーナーを見ていたら、クラヴィコードの現物が展示していました。クラヴィコードはバッハの時代によく弾かれていた美しい、かそけき音の出る鍵盤楽器です。ジーッと見ていると「弾いてみますか。」と思いもかけない博物館の方からの思し召し!まずは、博物館の方からの説明をして頂き初めてのクラヴィコードの演奏。鍵盤楽器なのにビブラートもでき、まるで月の明かりのような音がしました。その他にも、オリジナル楽器のチェンバロやフォルテピアノも詳しく説明して頂き、実際に弾かせて頂きました。あっという間の1時間でしたが。200年分の鍵盤楽器の旅をした気分です。ベートーベンの「月光」の冒頭部分はこのフォルテピアノのこのペダルを踏んで弾くんですよ、と演奏して下さいました。これも初めて聴く「月光」の音でした。普段聴いている「月光」とはまったく違う音でした。本当に夢のような1時間でした。楽器博物館の方に心からお礼申しあげます。ありがとうございました。皆さんも、是非、大阪音楽大学音楽博物館にお越し下さい。すばらしい楽器の旅ができますよ。

先生のコンサートのお手伝いに来て、他のことにうつつをぬかしていては先生にしかられそうです。さて、いよいよコンサートが始まります。・・・2に続く

 

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