トミー・テマーソン ツィターコンサート 伊東をひと月後に控えて(KAKO)

ツィターの故郷、チロル地方の今頃は深い雪に閉ざされます。暖炉に赤い火の燃えるお部屋で人々はツィターを囲み、歌ったりこぼれる笑顔で語りあい、春を待つのです。

さて、3月28日に行われますツィターコンサートの聴きどころを二つ三つご紹介したいと思います。

ヴァイオリン属のヴァイオリン・ヴィオラ・チェロ・コントラバスは大きさ・音域が異なる様にツィターにも四種あり、音の高さと雰囲気がそれぞれ違います。このコンサートではそれを聴き分けて頂けるようにプログラミングされています。

今年のウィーンフィル・ニューイヤーコンサートで“ウィーンの森の物語”が演奏された事は記憶に新しい

ものですが、あの美しい曲を伊東でも弾いてほしいと思い、希望を伝えたところ、快諾されました。

この曲はフルートの序奏の後、ツィターがソロで主旋律を35小節弾き、続いてオーケストラによる五つのワルツの後、コーダの中で再びツィターによる主旋律が15小節あり、そしてオーケストラの9小節で華やかに終わります。ツィターソロとして舞台に載せる場合、有名な主旋律だけでは余りにも短く、アッという間に弾き終えてしまいます。かといって全曲をツィター用に編曲したものはまさに大曲、どの版を使って演奏するかが思案のし所となりました。短い譜を二種類、5つのワルツから少しづつ取り入れて簡潔にまとめた楽譜、全曲のもの、この四種の版から奏者自身に選んでもらった結果、簡潔にまとめた楽譜が選ばれたのでした。

『ウィーンの森の物語が予定曲に入っているので嬉しくて』とチケットをお求め下さった方もあり、どの版で演奏されるのかは主催者としても大きな関心事でしたし、この曲も聴き所と言えましょう。

その他テマーソン・森・惠藤によるトリオも迫力あるバスツィターが加わる事により、聴きごたえある演奏となるでしょう。

複雑な打ち合わせと準備作業もトミー・テマーソンの迅速な、そして誠実な対応に助けられ、ここまで順調に運んでおります。

皆様、3月28日のコンサートをどうぞお楽しみに。

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