横手山冒険記 (1/3) 茶トラ号にAKKOちゃん乗せて700Km (2020年8月12日~14日)

IMG_4639 (1)-1(AKKOちゃんの写真)

横手山冒険記 AKKO ちゃんと (1/3)

あら嬉しや、待ち人来る!

草津国際スキー場・駐車場の道路に面した木製デッキに腰掛けて、下界とは違い爽やかな空気に包まれ文庫本を読んでいると、“プッ”と短いクラクション約束時間の5分前、今回の演奏仲間アコーディオン2名エルガリ2名が無事に揃ったのです。ここまで来れば、車は相前後して日本有数の山岳スカイライン “志賀草津高原ルート” を横手山山頂目指して登るだけ。

白根山岳パトロールが注意喚起“警戒レヴェルⅡ”“駐車・停車禁止”の表示板を車の運転者に提示し、“了解”の意思表示をすると、GOサインの旗が振られます。さあ出発、道路沿いの観光施設はことごとに閉じられ、避難壕だけがトンネル状の口をポッカリ開けている。やがて道は林をぬっての爽やかな上り坂。グングン登り、開けた所に出、高度はもう2000mに近いかと思いながら走っていると、右手に地元で白根隠しと言われている硫黄色をした白根山の下方山襞が拡がり、また暫く行くと、右手前方にヨーロッパの古城が廃墟となり残った城壁の様な、茶色のゴツゴツした岩肌が何百メートルも続いている、その荒涼とした風景を眺めながらの走行、停車禁止ではカメラを構える事も出来ず、初めて見る危険を孕んだ大自然の風景に目を見張ったものでした。

今年は4月24日に開通したという、“雪の回廊”はこの辺り? と思い描きながら通り過ぎると、国道最高地点2172mの石碑が建っていて、間もなく群馬と長野の県境の渋峠。ここからはヒュッテ私道なので、いっとき鎖を外して砂利のでこぼこ道を5分程登り、15時40分に目的地横手山・山頂ヒュッテ2307mに無事到着したのでした。

ここには“雲の上のパン屋さん”として知られる日本一高い所のパン屋さんや、カフェレストランもあり、山小屋としてはかなり設備が整っている様です。お風呂を浴びてさっぱりし、脱いだ衣服を見ると、白い粉が吹いた隈だらけ、汗が乾いて塩が模様を作っているではありませんか!

早朝4時30分に伊東の家を出発し、酷暑で車のクーラーも効かないかと思われる中、水分補給に努めながらも二時間毎の休憩を計5回も摂り、結果、往路は何と11時間要した事になります。

草津に至るまでの暑さ! 道の駅“吾妻峡”で摂ったかき氷は生き返る思いがして飛び切り美味しかったこと!

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(道の駅 吾妻峡で かき氷・愛車 茶トラ号)

ダムで有名な “八ッ場ふるさと館”に寄った事も思い出に残りました。

ヤンバダムは様々な紆余曲折を経、日本一高額な費用をつぎ込み、完成まで20年余りの月日を要し、今年3月31日に漸く完成したとの事。

吾妻川の水を集め、治水(利根川の洪水調節)・利水(都市用水の確保)・ダム直下の名勝 吾妻川 に水を流す事により、景観を維持する、これら三点が主たる目的だそうです。

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(八ッ場ふるさと館から大橋を望む、大橋の左奥がダム・

水陸両用バス)IMG_5416-1

思い返せば、出発前にいろいろのハプニングがありました。それらをよくも乗り越えて、今こうして横手山ヒュッテに、と思うと感慨も一入(ひとしお) です。

ハプニングの1、

エルガリの左側ベースの6番、Asボタンがポロッと取れ落ちてしまったこと。幸いにも丁度お稽古日でしたので、先生と二人、色々と試した上、ネジを二本外し、蓋を開けて嵌め込み、当座は直ったかに思えたのでしたが、夜、練習を始めると、今度はボタンが引っ掛かり、音が鳴りっ放しになる、そのボタンだけ弾かない事も試みましたが、間違って触れる恐れは大いにあります。

他の三人はアマチュアとは言えヴェテラン、私一人伴奏無しでも何の不足も無く、邪魔な音が鳴りっ放しになるよりは、メロディーのみ弾く方がずっとまし。伴奏は入れない、と決めた事でクリアーしたのでした。

 このエルガリは手元に届いてまだ一年ちょっと、『弾き方に問題があるからこうなったと思う。』との先生のご指摘に、全くその通り、左手の使い方、角度と深さが適切ではないまま、10日程前から、横手山目指して一層熱心に練習した結果、ボタンが耐え切れずに取れてしまったのでしょう。反論の余地無しでした。

 ハプニングその2、

毎日の炎暑、車の風通しを、と思い、窓、後ハッチを朝、開けに行きました。夕方、さて少し涼しくなったから買い物に出よう、と思ったらキーがいつもの所に無い!車に付けたまま取り忘れた為、エンジンが掛からない!結局JAF に来てもらい、二時間後には直ったのです。キーは、ただ刺した状態でも通電するから、長時間ではバッテリーが上がってしまうのだそうで、うっかりミスが招いた一大事件でした。

「貴方はこれで今日のお仕事はお終い?」

『いいえ、夜勤で明日の朝までです。』

「そぉなの、車のお医者さんね!」

つくづく有難いと思いました。

 これは出発の二日前の出来事でしたから、助かったものの、もう一日遅かったなら、例えその日に直ったとしても心の動揺はもっと大きかったでしょう。

 更にもう一日遅ければ、横手山行き自体が不可能になるのです。

 どちらも自ら招いたトラブル、それらのストレスが溜まって、洗面にもビリッと腰痛を感ずる始末、湿布を貼ると共に家事も充分用心しなくてはなりませんでした。

この様にトラブルを潜り抜け、横手山まで314キロを一人で運転してどうやら来る事が出来たのです。

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(横手山山頂 カフェ・レストランからの眺望)

夕食後、合わせ練習がありましたが、疲れ果てて、蛇腹の押し引きも間違える始末。今夜はペルセウス流星群が良く見られる、と言われていましたが、夜空を眺める余裕も無く、休んだのでした。

追記

草津の道の駅の傍あたりだったでしょうか、道路からメロディーが聞こえはじめました。耳を澄ますと、草津・湯もみ唄。

 草津よいとーこー 一度―はーお出で―ドッコイショ

お湯の中にーもー こりゃ花-がー 咲く―よー チョイナ・チョイナ

 ちなみに、日本全国にはこのようなメロディーラインが28か所もあるそうです。                KAKO

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