短歌の学校一年生 (14)

自らを慰むばかりのエルガリが グーグルミートで5人の友へ

ちさき鳥ノウゼンカズラの蜜に酔ひ 花諸共にバンジージャンプ

エルガリと民族衣装を積み込んで 300キロはちょっと冒険

窓開けて南アルプス走りゆく 紅点々と桃の香りぬ

豆州より300キロも走りたり トンネル抜けてあっあれが乗鞍

留守五日乱れ咲くは撫子の 空き別荘に佇たちたる思ひ

掲載を気付きし友より文届く 短歌の取り持つ予期せぬ喜び

作品を携え訪ふ若者の 未来も眩し水遣りの夕

まどろみつデデッポの鳴く昼下がり 明治の父は汗し働き

幼き日墩(とん)に座させて父床屋さん 撫子咲く庭昔のまんま

スポーツとヴァルトビューネのコンサート 閉会式の夜の感動

この世には未練も無しと言ひし口 パリオリ待たると年寄り宣ふ

箴言が重荷になりし夏の午後 寝ござ広げて荷を降ろしたり

列島は記録塗り替ふ烈し雨 ボゥルの奏でし古屋の水琴

南天の繁みに鳥の巣卵三つ 小さき命よ生まれ飛翔(とびた)

何鳥が巣を架けしかと知りたくて 図鑑届くを待ちてワクワク

葉の揺れを感じて大きな口開ける まだ声も出ず餌待つ雛鳥

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二階の窓下の南天の繁みに鳥が巣を作りました。そうとは知らぬ暑い盛り、除湿器の水を窓からブン撒いたら、鳥が飛び出した時もありました。白っぽい卵が三つ生んであることを知ってから、親鳥が巣を放棄しはしまいかと心配になりましたが、その数日後、巣の中が赤っぽく色変わりしている事に気付き、目を凝らすと、どうやら雛が孵ったらしいのです。枝葉を棒でそっとずらすと、雛三羽、そろって大きな口を開けています。まだ目は開いていませんが光と空気の動きを感じ取り、親鳥が餌を運んで来た、と思ったのでしょう。 急いでシャッターを切りました。給餌も見たいけど以後は我慢して、覗くのは朝・夕の二回のみ、レースのカーテン越しでは良くは見えず、動きで生きている事を確認して、満足しています。ピーちゃん達の祖母になった気持です。

令和3年 葉月25日 歌人 野の花

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