”ZitherGatheringに参加して”を読んで

久方ぶりにANZ の本領であるツィター関連のニューズが杉本恵里子さんにより寄稿され、嬉しく思いました。

T.Temerson /A.Prinz主催のZ.Gathering は2019年3月、ドイツのケルン近郊で行われたのが第一回、Tomy さんに演奏依頼してあったCD 作成の最終打ち合わせの為、Gathering の期間、見学しTomy さんの空き時間に、曲想その他の打ち合わせを進めたのでした。

杉本さんの今回の報告書によって、ワシントンでの第二回目が、どれ程充実した素晴らしいものに成長していたか、そしてアメリカのツィター仲間の結束と準備万端、お膳立ての綿密な事に、成程と頷く思いで読ませて頂きました。

2019年当時、第二回は翌年、2020年にアメリカで、という気運も盛り上がっていましたが、間もなくコロナ禍が世界に広まり、そういった事は一切開催不能となってしまったのでした。

この度の報告書により、Gathering追体験の気分を味わいたくて、まずSaint Louis 近郊のWashington を地図で探しました。私はアメリカの土を踏んだ事がありませんので、日本からはどのルートで行けば良いのかしら? アメリカに長期滞在中の杉本さんでこそ参加出来るけど、これが第一印象でした。

でも本気で参加する気にさえなれば、、、。シカゴまで約13時間、シカゴ・セン

トルイス間、約1時間半、乗り継ぎ時間を入れ、空港からのタクシー1時間を含めると丸一日要すると見なくてはなりません。

オーストリアでのSeminar の場合も、やはりその位の時間が掛かりますので、いつもオーストリアのWienからかドイツのMuenchen から入り、一泊してから目的地に向かったものでした。帰路はその逆で。

ヨーロッパはそれぞれの国土も狭く、一泊もすれば、懐かしい人と場所の一つも訪れる事が出来ますから、それも楽しみの一つでした。

今年のアメリカでのGathering ,3月末の催しに対して2月頭にはアンサンブルの楽譜と練習用の音源が届けられ、その上Gathering に先立ち、Philadelphia 近郊でアンサンブル練習の為のCampまで開かれたとの事、練習方法にしても、今時は便利なApplicationが開発されているようで、これからはそういった機器を大いに使いこなして効率良い練習をしなくてはなりませんね。

日本から参加する場合は前もってのCamp まではとても無理かと思われますが、

課題曲の楽譜と練習用音源が届けられるとは、誠に行き届き、配慮されたTomy さんらしい進め方であると思います。

オーストリアでのSeminar の実状をTomy さんは熟知した上、満を持しての

自己主催のGathering ですから、理想的なものとなった事は当然、と頷けます。

前回のケルン近郊でのGathering では、最終コンサートにはドイツ人も応援に

駆け付けた様でしたが、Seminar に当たるGathering では、アメリカからの一団15~16名ほどの参加のみであったと思います。

この度は、アメリカの人々にとっては母国での開催ですから、至れり尽くせりの準備が可能だった訳で、次回のドイツ開催では、ドイツ人の参加人数にかかっているかと思われます。ドイツ人も万事に亘り徹底していますから、次回、ドイツ人の参加が多ければ、綿密なお膳立ての上、異国、特に日本からの参加者が親切に扱われる事は、約束されているようなものです。

前回のお膳立ては全てTomy さんの肩に掛かっていたのでしょうから、さぞや大変だった事でしょう。

Zither を運ぶ場合の梱包の仕方、など、大変役に立つ情報です。

また、1867年にオーストリアからワシントンに定住し、楽器制作およびツィターの維持発展に寄与したFranz Schwarzerの事など、私の知らなかった事も簡潔に紹介され、アメリカでもツィターの人気が衰えずに現在に繋がっている歴史を知る事が出来たのでした。

2015年2月にオーストリア・ザルツカンマーグートで開かれたZither-Tag では、“アメリカに於けるツィター” と題して,G.Huber さんか講演なさり、その折りには、F.Schwarzer についても詳しい解説が為された事と思いますが、次が 自分の講演で、控室に居たため、聞く事が出来ませんでした。

個人レッスンも受けられたようで、その報告は惠藤先生の教えを再確認するものであったかと思いますけれど、これで良かったのだ、という裏付け、ああそうか、という新しい気付き、これからの指針など、やはりGathering に参加してこそ得られるものも多かったと思います。

最終日のコンサート会場はツィター演奏にちょうど良さそうな広さの綺麗な教会で行われた模様で、Gathering 参加はもう自分には厳しいけれど、このコンサートだけは聴いてみたかったと思いました。

TomyさんのSolo で “The songs of Twilight” も演奏されたとか、『コンサートの最後に弾きたいから編曲を』との依頼で、二年前に提供した曲でした。

Tomy さんにはA-Dur で、ANZの皆さん向けにはC-Dur (たそがれ時の詩)として。

“静謐な雰囲気の中で大変贅沢な一時間余り” と杉本さんの報告書にあります様に聴きに集まった人々も、穏やかに心に沁みる感激を味わうことが出来たと想像します。

ANZ の皆さんも杉本さんの報告書を読んで、アメリカやヨーロッパのツィターの催し物に参加してみたい、と思う方もきっと現れるでしょう。何か新しい希望や夢の兆しが得られるのではないでしょうか。勇気を出して参加なさると良いと思います。

杉本恵里子さん、どうも有難うございました。

2022年7月6日 KAKO

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