短歌の學校一年生(29)

実の赤く熟すを待ちて柿すだれ「絶品だね」の言葉期待し

櫂さばき見ると漕ぐでは大違い佐渡ヶ島小木たらいのお舟

佐渡のトキ田に降り立ちて餌を探す朱羽根たたみし姿慎まし

柿の葉の虫食い穴が眼となりて己の錦初めて知るや

        (写真 大辻一徳)

キーウにも神出鬼没バンクシー

    少年に背負い投げ(しょいなげ)喰らう大男

ハローウインの赤南瓜ドイツでは

          HOKKAIDOHとて売られ居り

山裾に朝霧の立ちパチパチと豆殻を焚く農夫のありて

         (写真 吉井良平)

猫耳打ちす「僕らの母ちゃん若くない、

     なるべくいい子にしてようね」

「あなた声優しくなった」と友の言う猫撫で声の日々なればなり

紙ボール取り合い咥えてまた蹴り飛ばす僕らは猫のサッカー選手

令和4年霜月25日 うた人野の花

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