短歌の學校一年生(32)

        (写真 大辻一徳)

窓越しの梅の老木ふふみゆき ベッドの友を慰むるらん

白きもの手に受け見れば跳びはねる 霰ぞまるで小人の豆撒き

ガガイモの銀の綿毛に頬撫でられて 雑木林の小春の散歩

鬼は外殻つきピーの福は内 転がる豆に猫おおはしゃぎ

川エビやダボハゼ捕りし幼き日 語りつ流る春の水音

         (写真 石原和子)

軒下を住処と定めし立金花(りゅうきんか)

             陽気な黄色足るを知るなり

奏でるも一日二日措きなれば 不協和音にハッとさせらる

去年より十日も早き初音聞き 吾が弾む声写真の夫に

ヴァレンタイン有難迷惑かも知れぬのに

           「ケークサレ」をいそいそと焼く

攻められて一年経ちぬウクライナ キーウの鳥の歌切々と

令和5年如月25日 うた人野の花

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